閉塞性睡眠時無呼吸症候群の気道

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睡眠時無呼吸症候群とは?
睡眠時無呼吸症候群(SAS Sleep Apnea Syndrome)とは大きないびきを特徴とし、睡眠中に何度も呼吸が止まってしまう病気です。主な原因としては、舌や軟口蓋などが喉の奥に落ち込み気道を塞いでしまうことによります。自身ではなかなか気付きにくいですが、ご家族様よりいびきや呼吸が止まっていることを指摘されている方は要注意となります。日中の強い眠気により仕事効率が落ち、些細なミスをしてしまったり、交通事故の原因となるだけではなく、重症化すると脳梗塞や心不全などの疾患、高血圧や糖尿病などの生活習慣病を合併する危険性が高まります。重症SAS患者は通常の人に比べて死亡率は約4倍、脳卒中・心筋梗塞を合併する確率は5倍にのぼると報告されています。
睡眠時無呼吸症候群は
なぜよくないのか?
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に呼吸が一時的に止まる、または非常に浅くなる病気で、これが繰り返されると健康にさまざまな悪影響を与えます。具体的にどのように悪いのかについて説明しますね。
1.酸素不足による影響
呼吸が止まると、体に必要な酸素が供給されなくなり、脳や重要な臓器に酸素不足が生じます。これが繰り返されることで、心臓や血管に負担がかかり、心血管系の病気(高血圧、心不全、脳卒中など)のリスクが高まります。
2.睡眠の質の低下
無呼吸が発生することで、睡眠が浅くなり、深い睡眠が取れなくなります。そのため、疲れが取れず、日中に眠気を感じたり、集中力が低下することがあります。これが続くと、生活の質が大きく低下します。
3.心血管系への負担
睡眠時に呼吸が止まると、血圧が急激に上昇することがあり、心臓に強い負担をかけます。このような状態が繰り返されると、心筋梗塞や不整脈、脳卒中のリスクが高まります。
4.代謝異常
睡眠時無呼吸症候群があると、インスリン抵抗性が高まり、糖尿病のリスクが増加することがあります。また、体重増加や肥満も引き起こす可能性があり、これがさらに無呼吸を悪化させる悪循環を生むこともあります。
5.認知機能の低下
睡眠の質が低下することで、脳の働きにも影響が出ます。記憶力や判断力、注意力が低下し、認知機能の障害が進行する可能性もあります。
睡眠時無呼吸症候群は放置しておくと、心身の健康に重大な影響を与えることがあります。早期に診断を受け、適切な治療を行うことが大切です。
睡眠時無呼吸に
なりやすい人の特徴
以下の特徴に心当たりのある方は、SASを発症していないか一度検査してみることをお勧め致します。また、今は発症していなくても、下記の特徴がある方は今後発症する可能性が高いと思われますので、生活習慣を見直し、適度な運動とのバランスの良い食事で適正体重を維持することを心がけましょう。
肥満
メタボ体型はSASの候補
急に太った方も注意が必要です
SASの発症原因の代表的なものの一つに肥満があります。肥満の方は喉や軟口蓋に脂肪がつきやすく、それによって軌道を狭め、SASとなる可能性が高くなります。厚労省の調査によると30歳〜60歳までの男性の3割以上が肥満であり、成人男性の肥満者数は20年間で1.5倍まで増えたとされます。それに伴い、日本におけるSAS患者も数も増加傾向にあります。
見た目、首の太さ
顎と顎周りをチェック
- 顎が小さい
- 下顎が後方に引っ込んでいる
- 小顔である
- 二重顎
- 舌が大きい
- 扁桃腺が大きい
肥満でなくても上記のような特徴をお持ちの方は気道が狭くなりやすく、SASになる可能性が高くなります。顎が小さい、もしくは後ろに引っ込んでいるタイプの人は仰向けに寝ると舌根が普通の人よりも奥の方に落ち込みやすいため、軌道を塞いでしまいます。鏡の前で舌を出して喉を覗いてみて、口蓋垂(のどちんこ)、舌根部については、加齢による筋力低下で落ち込んでしまうことも影響します。
性別
男性は要注意
閉経後の女性はリスク上昇
男性の方が睡眠時無呼吸になりやすい傾向にあり、女性の2-3倍と言われています。
男性は女性に比べ、太ると上半身に脂肪がつきやすく、顎や喉への脂肪が蓄積しやすい傾向にありあります。しかし、閉経後の女性は女性ホルモンの分泌が大きく低下し、男性と同程度までSASになりやすくなるので注意が必要です。
生活習慣
悪しき習慣
- 暴飲暴食傾向にある
- 喫煙、飲酒
- 過労傾向
喫煙は咽頭・喉頭部に炎症を起こします。また、飲酒や過労は咽頭の筋肉の緊張を低下させ、気道閉塞を起こしやすくさせます。これらの習慣がある方は、肥満や骨格などに問題がなくてもSASを引き起こす可能性があります。