気管支喘息
気管支喘息は、急に空気の通り道となる気管支が狭くなってしまい、「ヒューヒュー」「ゼーゼー」し始めて呼吸が苦しくなる状態(いわゆる発作)を繰り返す病気です。気管支喘息では、気管支に慢性的な炎症が起こっていることが分かっています。この炎症のために簡単な刺激が入っただけでも気管支の壁が腫れたり、粘液(痰)が分泌されたり、気管支の周りの筋肉が縮もうとしたりして気管支が狭くなってしまい発作が起こります。そのため、炎症を治さない限りいつまでも発作が出現します。さらに、長く炎症が続いてしまうと気管支自体が硬くなって治療が難しくなる「リモデリング」といった状態に陥ってしまいます。
花粉症
人体には細菌やウイルスといった外敵が体内に入り込んだ際、それら外敵から体を守るために免疫という機能が備わっています。ところが、そのために働くはずの免疫機能が、何でもないアレルゲン物質(花粉やハウスダスト・ダニなど)を外敵と勘違いして起きるのがアレルギー反応です。通称「花粉症」とは専門用語で「季節性アレルギー性鼻炎・結膜炎」のことで、原因はスギ、ヒノキ、ブタクサなどの花粉が鼻や目の粘膜を刺激することでアレルギー反応を引き起こすことにより鼻や目の様々な症状を引き起こします。一般的には、これら原因となる花粉が飛散する時期だけに症状が現れますが、場合によっては複数のアレルゲンを有していることがあり、1年中症状に悩まされることもあります。ただし花粉を原因とせず、ハウスダストやダニを原因とする「通年性アレルギー」のこともあり、正しく原因を把握することは治療をしていく上で非常に重要になります。
長引く咳
咳、咳嗽(がいそう)は、もともと肺や気管支の中に外から入ってきた異物を取り除こうとする防御反応です。しかし咳が長引くと夜も眠れなくなり、場合によっては肋骨にヒビが入り痛みのため日常生活に支障を来すこともあります。咳の原因は感染・非感染含め非常に多岐にわたるため、治療を受けているのにも関わらずなかなか治らないことも珍しくありません。長引く咳の診療では原因を特定した上で治療を行うという基本が最も大切になります。適切な診断のためには詳細な「問診」「診察」「検査」(胸部レントゲン・呼吸機能検査・呼気一酸化窒素など)が必要となります。
咳はその持続期間によって急性がいそう(3週間以内)、遷延性(せんえんせい)がいそう(3週間以上)、慢性がいそう(8週間以上)の3つに分類されます。そして咳の性状として乾性がいそう(かわいた咳)、湿性がいそう(痰が出る咳)に分類されます。咳の持続時間と性状から原因をある程度推定することが可能です。咳の原因としては大きく感染性と非感染性に分類されます。